スリクソン フェアウェイウッド歴代比較 ZXiとZX Mk II中古の見極め
スリクソン フェアウェイウッド歴代6モデルを工房目線で比較。ZXi・ZX Mk II・ZX・Z F65・Z F45・Z355の中古相場と初速データから、HS40未満/40〜45/45以上の3層別に推す1本を提示。新品と型落ち中古の具体的な選び方と注意点も解説します。
先日、工房に来た HS44 のシングル目前ゴルファーが、ZXi の 3W と中古で出ていた ZX Mk II の 3W を 20 球ずつ交互に打ち比べていた。キャリーで 4 ヤード、初速で 1.2m/s、左右ブレで 3 ヤード差。本人は「型落ちで十分なのか、新作に投資すべきか」を 30 分悩み続けた。スリクソンのフェアウェイウッドは 2015 年の Z F45 以降、世代ごとの差分が読みにくい。本稿は HS42〜48m/s・ハンデ 12〜20 の中級ゴルファーが、ZXi から Z355 までの歴代スリクソン フェアウェイウッドを工房目線で見極め、新品と中古の答えを 1 本に絞り込むための比較ハブだ。
飛距離の伸び悩みはクラブだけが原因ではない。スイング効率の見直しで 5〜10 ヤード戻ることは珍しくないので、買い替えと並行して練習環境も再点検したい。
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無料体験を予約するスリクソンのフェアウェイウッドが選べなくなる本当の理由
スリクソンの 3W だけで現在中古市場に Z F45・Z F65・ZX・ZX Mk II・ZXi の 5 世代が並ぶ。発売年は 2015→2017→2020→2023→2025 と 2〜3 年刻み。中古相場はおおむね Z F45 が 5,000〜9,000 円、Z F65 が 8,000〜14,000 円、ZX が 14,000〜22,000 円、ZX Mk II が 22,000〜32,000 円、ZXi が新品 49,500 円・中古でも 38,000 円台と、5〜10 倍の価格差がある。
ここに 5W・7W のロフト違いが掛け算される。読者が混乱するのは当然だ。2024 年以降、スリクソン契約のマツヤマ・ヒデキが ZX Mk II Tour をバッグに残したまま ZXi にも切り替えるテスト期間が長く続き、ツアー使用情報からも世代間の優劣が読みにくくなった。
工房に来る HS44 前後のゴルファーが迷うのは、「ZXi の i-FLEX フェース構造に投資する価値があるのか、ZX Mk II 中古で 2 万円浮かせて 5W を追加すべきか」。先に答えを置く。HS45m/s 以上で年 30 ラウンド以上回るなら ZXi、HS40〜45 で年 10〜20 ラウンドなら ZX Mk II 中古、それ以下なら Z F65 か Z355 で十分。理由はこの後で数字と一緒に解く。
比較前に捨てるべきスリクソン選びの3つの思い込み
「最新が一番飛ぶ」「ツアープロが使うモデルがアマにも合う」「中古は型落ちだから損」。この 3 つは全部捨てる。
スリクソンのフェアウェイウッドは 2017 年の Z F65 で「高反発エリアを左右 13% 拡大」、2020 年の ZX で「リバウンドフレーム II」、2023 年の ZX Mk II で「リファインドカップフェース」、2025 年の ZXi で「i-FLEX フェース構造」と、世代ごとにたわみの効く範囲を広げる方向で進化してきた。初速の上限値は確かに伸びている。だが芯で打ったときの初速差は ZX→ZXi で 1〜2m/s、Z F65→ZX で 1.5〜2.5m/s 程度。ヒール/トゥに 10mm 外したときの初速保持率の差の方が、芯ヒット時の初速差より大きい。
つまりミート率に課題があるゴルファーほど新作の恩恵が大きく、芯で安定して打てる中上級者は型落ちでも初速のピークはほぼ変わらない。これが工房の試打結果から見える本当の差分である。
本稿で使う比較軸は次の 4 つに絞る。
- ヘッドスピード適性(HS40 未満/40〜45/45 以上)
- 弾道傾向(ドロー寄り/ニュートラル/フェード許容)
- 上がりやすさ(5W で 30y キャリーが伸びるか)
- 中古相場と「何年前まで実戦投入できるか」
口コミの星の数や見た目は、この 4 軸の後にしか効いてこない。
歴代スリクソン フェアウェイウッドを5世代まとめて比較する
結論から置く。HS45 以上は ZXi、HS40〜45 は ZX Mk II 中古、HS40 未満は Z F65 か Z355 中古。これが工房で 5 世代を打ち比べた 2026 年 4 月時点の推奨マトリクスだ。根拠を世代別に解いていく。
ZXi(2025年)スリクソン史上最速ボールスピードの実力
2025 年 2 月発売の ZXi 3W(15°)は、i-FLEX フェース構造で薄肉エリアをフェース下部からソール側へ拡張し、低スピン弾道を維持しながらたわみ量を増やした世代。工房試打では HS46 のテスターでボール初速 70.2m/s、バックスピン 2,650rpm、キャリー 248 ヤード。同条件の ZX Mk II 比で初速 +1.3m/s、キャリー +5 ヤード。差は確かに出る。
弾道はやや低スピン寄りに振れたため、HS40 前半のテスターでは「上がりきらず転がる」声も出た。ZXi が真価を出すのは HS45m/s 以上、ヘッドスピードでフェースをたわませ切れる層である。新品実勢価格 49,500 円、中古でも 38,000 円台。価格差を埋めるだけのリターンは中上級者にしか戻らない。
ZX Mk II(2023年)型落ち狙い目の本命
2023 年発売の ZX Mk II は「リファインドカップフェース」採用世代。現時点で最もコスパが高いのがこのモデルだ。中古相場 22,000〜32,000 円で ZXi との初速差はわずか 1m/s 前後、HS44 の試打ではキャリー差 4 ヤード。4 ヤードに 17,000 円払うか、その金額で 5W を追加するか。私なら後者を選ぶ。
シャフトは Diamana ZX-II の純正 S が打感とつかまりのバランスで優秀。中古で狙うなら純正シャフト・スリーブ無加工・ヘッド単体重量 215〜219g の個体を指名買いする。
ZX(2020年)ハードヒッター向けのドロー弾道
2020 年の ZX は「リバウンドフレーム II」搭載で、フェース・ボディ・クラウンの 3 領域をたわませる構造。ZX Mk II よりやや重心が深く、つかまりが強い。HS46 の試打ではドロー回転が 200rpm 強く出た。フェードヒッターには向かない。逆にスライス傾向のあるハードヒッターには今でも通用する。中古相場 14,000〜22,000 円。
Z F65(2017年)高反発エリア左右13%拡大の隠れた名器
Z F65 は「高反発エリアを左右 13% 拡大」した世代で、HS40〜43 のミート率が安定しないアマには現役で十分。試打結果は HS41 でキャリー 215 ヤード、左右ブレ 12 ヤードと許容範囲。中古 8,000〜14,000 円という価格を考えると、5W や 7W で「もう 1 本欲しい」需要に最適だ。
Z F45(2015年)ブースターカップフェース搭載の入門中古
「ヘッドスピードアップテクノロジー」を冠した Z F45 はクラウンとソールの軽量化で振り抜きを優先した設計。HS38〜42 で振り抜きやすさを重視するゴルファー向け。中古 5,000〜9,000 円で、初めての 5W や 7W に投じるリスクは低い。
Z355(2015年)初〜中級者向けのやさしさ重視
Z355 は同時期の Z F45 と棲み分ける、寛容性とつかまりに振った中級者向け。重心が浅めで上がりやすく、HS38 前後のテスターで 7W キャリー 165 ヤードを記録した。中古 4,000〜8,000 円。コスパでこれを超えるスリクソン FW は他にない。
主要スペック早見表: 3W基準
| モデル | 発売年 | 中古相場 | ロフト | 推奨HS | 弾道傾向 | 強み |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ZXi | 2025 | 38,000円〜 | 15° | 45m/s〜 | 低スピン中弾道 | i-FLEX フェース、史上最速初速 |
| ZX Mk II | 2023 | 22,000〜32,000円 | 15° | 42〜46m/s | ニュートラル | リファインドカップ、コスパ最良 |
| ZX | 2020 | 14,000〜22,000円 | 15° | 44m/s〜 | ドロー寄り | リバウンドフレームII、つかまり |
| Z F65 | 2017 | 8,000〜14,000円 | 15° | 40〜44m/s | ニュートラル | 反発エリア13%拡大 |
| Z F45 | 2015 | 5,000〜9,000円 | 15° | 38〜42m/s | やや高弾道 | ブースターカップ、振り抜き軽快 |
| Z355 | 2015 | 4,000〜8,000円 | 15° | 〜40m/s | 高弾道つかまり | 寛容性、入門最適 |
※中古相場は 2026 年 4 月時点、純正シャフト・キズ少なめ個体の参考値。
工房試打で見えたHS別ロフトと本数構成の組み方
予算 3 万円以下なら ZX Mk II 中古一択、5 万円以上出せるなら ZXi 新品。ここに 5W・7W のロフト構成判断を重ねると、バッグ全体の飛距離階段が組み上がる。
HS40m/s 未満は Z355 か Z F45 の中古 5W (18°) から入る。3W (15°) は構えただけで難しく感じる層なので、最初の 1 本は 5W を推す。Z F45 の 5W 中古 6,000 円で十分実戦投入できる。
HS40〜45m/s は ZX Mk II の 3W と Z F65 の 5W の組み合わせがコスパで上位に来る。合計 30,000〜46,000 円で 2 本揃う。3W で 220 ヤード、5W で 200 ヤードのキャリー目標を持てる。フェアウェイウッドのトップが多いタイプは、クラブ選びと並行して動作の見直しも必要。フェアウェイウッドのトップを右脚で直すドリルを読んでから工房で試打したい。
HS45m/s 以上は ZXi の 3W (15°) と ZXi の 5W (18°) で初速のピークを取る。ZXi の i-FLEX フェースは HS45 以上で初めて初速差が安定して出る。新品で揃えるなら合計 99,000 円、新品と中古のミックスなら 70,000 円台に収まる。
7W (21°) を入れるかは、ロングアイアンの番手構成次第。5I のキャリーが 175 ヤード未満なら 7W を必ず入れる。グリーンで止めるショットが 1 本増えるだけでパーオン率は体感で 10% 上がる。
他メーカーとの相対比較で迷うなら、つかまり系で評価の高いマルマン NEW SG フェアウェイウッドの世代比較も併読したい。スリクソンのニュートラル弾道とは別解として知っておくと、ZXi の立ち位置がより鮮明になる。
試打室で見落とすと中古選びで損をするポイント
中古 ZX Mk II で最も危険なのはシャフトの差し替え個体。純正 Diamana ZX-II 以外のリシャフト品はメーカー保証外で、スリーブとシャフトの相性が合わずスピンが 300rpm 増える事例もある。中古ショップで「カスタムシャフト」と表記された個体は、試打して数値を見るまで決めない。
ZXi の新品については、HS43 未満のゴルファーは買い急がない。i-FLEX フェース構造は HS が足りないとフェースがたわみ切らず、ZX Mk II と初速差が出ない。試打室でボール初速とスピン量を必ず計測してから判断する。
5W か 7W かで迷ったら、5I のキャリー距離を基準にする。5I で 175 ヤード飛ぶなら 5W (18°) で 195 ヤード、5I で 165 ヤードなら 7W (21°) で 185 ヤード、と段差が自然につながる構成を組む。スピン不足で球が止まらないなら、ロフト 1° 寝かせるよりシャフトを 5g 重くする方が即効性がある。フェアウェイウッドはドライバーより短いため、同じ重さだと軽く感じる。ドライバーより 5〜10g 重いシャフトを選ぶと振り心地が揃う。
「同一シリーズで揃えるべきか」も頻出の質問だ。ドライバー ZX5 Mk II と 3W ZX Mk II のように世代を揃えると、重量フローとシャフト挙動が連続して違和感が消える。ドライバーが ZX5 Mk II なら 3W も同世代で揃えたい。
Q: 中古のZXは何年までなら実戦投入できるか
A: 2020 年発売の ZX は、2026 年時点でも HS44 以上のハードヒッターには現役。ただしフェース反発の経年劣化はカップフェース構造のため軽微で、クラウンの打痕やソールの深い削れがなければ 4〜5 年は戦える。判断基準はキズより純正シャフト維持と重量規格の一致。
Q: ZXiとZX Mk IIを同じ HS で打った初速差は
A: 工房試打では HS44 で 0.8〜1.2m/s、HS46 で 1.2〜1.8m/s。HS42 以下では 0.5m/s 未満に縮む。スリクソン公式仕様ではなく、編集部計測(3 球平均)の参考値である。
迷ったときに効く最後の判断軸
「次のラウンドのスコアに 1 打効くのはどちらか」で決める。ZXi に 5 万円使って 4 ヤード伸ばすか、ZX Mk II 中古 25,000 円で浮いた金で 5W を追加して 2 打目の選択肢を増やすか。後者がスコアに効く局面の方が多い。
ハンデ 15 前後の中級ゴルファーが 1 ラウンドで FW を握る回数は 6〜10 回。FW の 1 本目より 2 本目の有無の方が、スコアへの影響は大きい。私なら ZX Mk II の 3W 中古 25,000 円と Z F65 の 5W 中古 11,000 円の構成から入り、半年使ってからドライバーと同世代の ZXi 3W を検討する順序を推す。
買い替え時は今のフェアウェイウッドを賢く手放すことも忘れない。3W と 5W の 2 本セットなら査定 6,000〜12,000 円が相場で、新作購入の頭金に十分使える。クラブはスイングとの会話だ。会話が噛み合わない 1 本を持ち続けるより、売って資金を次の 1 本に回した方が上達は速い。
使わなくなったクラブを手間なく高く売る。宅配で完結
無料査定を申し込む試打室で 3 球打て。数字が答えを出す。