スリクソン ウェッジ歴代比較 RTZからRTX3まで工房試打で選ぶ

スリクソン ウェッジのRTZ・ZXi5/ZXi7・RTX6 ZIPCORE・RTX4・RTX3・ZX Mk II・i-FORGEDまで歴代と現行を工房の試打視点で比較。ロフト別バウンス別の選び方、中古相場、ハンデ別の推奨1本まで2026年4月時点で整理した保存版です。

スリクソン ウェッジ歴代比較 RTZからRTX3まで工房試打で選ぶ

先日、工房にHS42・ハンデ18のアマチュアが来た。バッグには7年落ちのRTX3の52°と58°。「スピンが止まらない、RTX6 ZIPCOREの中古か、現行のRTZか、ZXiのセット販売か、どれを買えばいいのか」と相談された。候補5本を試打室で各5球ずつ打たせて、30分で結論は出た。スリクソン ウェッジはRTX系とZXi系で役割が違い、歴代モデルは2世代前まで現役で戦える。この記事は、RTZ・ZXi5/ZXi7・RTX6 ZIPCORE・RTX4・RTX3・ZX Mk II・i-FORGEDを俯瞰し、2026年4月時点で「今日買う1本」を決めるための比較軸を整理した保存版である。

その前に一つ言っておく。ウェッジを替えても、アプローチのザックリとトップの7割はクラブで直らない。本当に悩んでいるなら、クラブ選定と並行してアプローチの技術改善を進めたほうが投資効率が高い。100球で差がつく練習の配分とリズムも合わせて読んでほしい。

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スリクソン ウェッジで迷子になる構造的な理由

売り場でスリクソンのウェッジを前にすると、手が止まる人が多い。原因は3つある。

ひとつめは、系統が2本走っていること。クリーブランドの血を引くRTX系(RTX3→RTX4→RTX6 ZIPCORE→RTZ)と、アイアンセット連動のZX系(ZX Mk II→ZXi5/ZXi7)が並列で存在する。店頭でRTX6 ZIPCOREとZXi5が横に並んでいると、後継関係だと勘違いする。違う。役割が違うクラブが同じ棚に並んでいるだけだ。

ふたつめは、歴代モデルが2〜3万円の価格差で現役。2022年発売のRTX6 ZIPCOREは新品で1本2万円台前半、中古なら7,000〜12,000円で転がっている。現行RTZは新品1本2.5万円前後。ロフト・バウンス・打感の差が本当にこの価格差に見合うのか、売り場では判断できない。

3つめは、ロフトとバウンスの組み合わせが膨大なこと。52°だけでもFバウンス8°、Mバウンス10°、Sバウンス6°と3種類ある。HS40〜45m/sのアマチュアがどれを選ぶべきか、カタログには書いていない。

2002年のI-201から20年以上続くスリクソンのウェッジ史は、松山英樹のフィードバックで磨かれてきた血脈がある。だが「プロが使う=難しい」ではない。現行4シリーズは明確に住み分けされている。迷いの原因はラインナップではなく、比較軸が示されていないことだ。

比較前に捨てるべき3つの思い込み

工房で月10人以上のウェッジ相談を受けていると、同じ誤解に何度も出くわす。

「新しいほうがスピンがかかる」は半分ウソだ。 RTX6 ZIPCOREに搭載されたZIPCOREテクノロジーは、低重心化とスピン量の両立という意味で大きな転換点だった。だがRTZでも劇的にスピン量が増えたわけではない。ラボ計測で見るとRTX6 ZIPCOREとRTZのスピン量差は200〜400rpm程度。HS42のアマチュアのフルショットでキャリー差に換算すると1〜2ヤード。体感できる差ではない。

「松山英樹使用=アマチュアにも合う」も危険な思い込み。松山が使うのはZ-FORGEDやZX7 Mk II系のブレード形状で、ソール幅が狭くバウンスも控えめ。HS38〜43のアマチュアがこれを持つとバンカーもラフも抜けない。彼のウェッジ選びは参考にならない。

「ウェッジは3本揃えてセット感」も条件次第。アイアンセットがZXi4やZXi5のようなキャビティなら、ウェッジもZXi系のアイアン型で繋ぐほうがギャップが埋まる。ブレード型アイアンを使っているなら、ウェッジはRTX系で統一したほうが打感と抜けが揃う。ここを混ぜるとセット全体のリズムが崩れる。

この記事で使う比較軸を先に開示する。

  • ロフト別の実用差(50/52/56/58/60°)
  • バウンス別の適性(ラフ・バンカー・硬いライ)
  • グラインド形状の違い(Fソール/Mソール/Sソール)
  • 対象ゴルファー層(HSではなくハンデと技術レベルで区切る)
  • 新品/中古の価格帯と買い時

軟鉄S15CやMAINFRAMEといった素材・技術の話は、必要な箇所でだけ触れる。

スリクソン ウェッジ歴代比較表と世代別の結論

結論を先に置く。2026年4月時点の買い方はこうだ。

  • HS40未満・ハンデ20以上 → RTX6 ZIPCORE中古のFバウンスが最適解。新品ZXi5との組み合わせでもいい
  • HS40-45・ハンデ12-20 → RTZRTX6 ZIPCORE新品。迷ったらRTZの56°Mバウンスを基準に
  • HSツアープロ級・ハンデ10未満 → ZXi7のブレードRTZのLow bounceモデル

主要スペック早見表を置く。

モデル 発売年 素材 対象 現行/中古相場 特徴
RTZ 2025年 軟鉄 ツアープロ〜中上級 新品24,000-27,000円 RTX6の後継。名称からX/数字が消えZに。男子ツアーで稲森佑貴が即投入
ZXi7 2024年 軟鉄S15C 中上級者 新品22,000円前後 ZXi7アイアンとのセット感。シャープな形状
ZXi5 2024年 軟鉄 中級者 新品20,000円前後 ZXi5アイアンと繋がる寛容性
RTX6 ZIPCORE 2022年 軟鉄 幅広い層 新品20,000円前後/中古7,000-12,000円 ZIPCOREテクノロジーで低重心化とスピン両立
RTX4 2018年 軟鉄 中上級者 中古5,000-8,000円 ZX7アイアンのAWと試打比較された実績
RTX3 2016年 軟鉄 中上級者 中古3,500-6,000円 V.T.ソールで抜けの良さを確立した世代
ZX Mk II 2022年 軟鉄 アイアン型 中古8,000-12,000円 ZX5/ZX7アイアンセット用のウェッジ
i-FORGED 2008年頃 軟鉄 中級者 中古2,000-4,000円 ZR時代のアイアン型ウェッジ。名器扱い

RTZ:現行フラッグシップの立ち位置

RTZは「RTX6 ZIPCOREの後継」と捉えて差し支えない。クリーブランドの兄弟モデル(RTX ZIPCOREの後継)と設計思想を共有し、ソール形状の選択肢が広がった。工房で56°Mバウンスを試打した感触では、RTX6と比べてフェース面の打感がわずかに硬めでフィードバックが明確。スピン量の絶対値ではなく、打った瞬間の情報量で選ぶ1本だ。

向く人は、HS40以上でアプローチの距離感を自分の手で作りたい中上級者。向かない人は、ダフリ・トップが月1ラウンドで5発以上出るアベレージ。それはクラブ以前の問題である。

スリクソン ウェッジ

ZXi5とZXi7:アイアン型として見る

2024年発売のZXi5・ZXi7はZXi5アイアン・ZXi7アイアンのセット感を埋める役割が主だ。ZXi7はツアープロ好みのシャープな形状、ZXi5はシャープさと寛容性のバランス。単独のピュアウェッジとしての尖りはRTZ系に譲るが、セット感の価値は替えがたい。アイアンがZXi系ならウェッジもZXi系で揃えたほうがギャップが出ない。

RTX6 ZIPCORE:現時点のコスパ最前線

2022年発売、4年経ってもまだ現役で売れているのがRTX6 ZIPCORE。ZIPCOREテクノロジーで重心を低く内側に配置し、ミスヒットでもスピンが抜けにくい。中古市場では7,000〜12,000円で良品が出回っている。アマチュアにとってRTX6 ZIPCOREの中古はRTZ新品との差額で替えシャフトかレッスン3回分になる。スピン量が数百rpm違う話より、この差額の使い方のほうが重要だ。

スリクソン ウェッジ

RTX4とRTX3:中古で狙う名器

RTX4は2018年発売。ZX7アイアンセットのAW(51度)と試打比較された実績があり、トゥ・ヒール間のフェース面積バランスが良く、ミスヒットに対する寛容性がRTX3より明確に上がった。RTX3は2016年発売で、V.T.ソールという概念を広めた世代。どちらも中古3,500〜8,000円で買える。予算2万円で3本揃えたいなら、RTX4の52/56/60°という選択は今も十分成立する。ただしスピン性能はRTX6以降と比べると400〜600rpm落ちる。濡れたラフからグリーンを止める設計ではない。

ZX Mk IIとi-FORGED:アイアン型の系譜

ZX Mk IIは2022年のZX5/ZX7アイアンセット用。i-FORGEDは2008年頃の名器で、いまだに中古市場で指名買いされる。アイアン型ウェッジを狙うなら、まずZX Mk IIから探すのが現実的だ。

ロフト別バウンス別の選び方で読むスリクソン ウェッジ

HS別ではなく、アプローチでどんなシーンに困っているかで選ぶ。これがウェッジ選びの原則だ。

  • 52° Fバウンス8-10°:フェアウェイから100ヤード以内の基準クラブ。迷ったらここから
  • 56° Mバウンス10-12°:バンカーとラフを1本で兼ねる万能ロフト。アベレージの第一候補
  • 56° Sバウンス6-8°:硬いライや砂が薄いバンカー向け。上級者向け
  • 58° Mバウンス8°:フルスピン前提のピッチショット。52°を使いこなしてから
  • 60°:技術レベル次第。HS45以下で60°フルショットを使う場面は実質ない

バウンスは「地面との喧嘩の度合い」で選ぶ。ダフリ癖がある人ほどバウンス角は大きめ(12°前後)。ボールを拾う打ち方ができる人は小さめ(6-8°)。自分の癖を認めずに上級者用のLowバウンスを選ぶのが最大の失敗パターンである。アプローチはパターに近い会話。無理に上級者の語彙で話そうとするほど、返事がズレる。

グラインド形状の詳細は3種類の仕上げ、複数のロフト - SM11 ウェッジチェックも参考になる。ボーケイの話だが、グラインドの読み方はブランドを超えて共通だ。新しい比較軸という意味ではVice Golf VGW 02が示すウェッジ選びの新基準も読んでおきたい。

スリクソン ウェッジ

買って後悔するスリクソン ウェッジの典型パターン

工房に来た相談者を見てきて、スリクソン ウェッジで後悔する人には共通点がある。

プロモデルをセット感なしで単品買いする。ZXi7の58°だけを単品で買って、アイアンはゼクシオ。これは抜けも打感も合わない。ウェッジはアイアンの延長として選ぶべきだ。

最新モデルに過剰な期待をかける。RTZがRTX6 ZIPCOREと比べて劇的に何かを変えたわけではない。スピン量の差は200〜400rpm。差額1.5万円に見合うかは、あなたが年に何ラウンドするかで決まる。月1ラウンドの人には中古RTX6のほうが合理的だ。

ロフト角だけで揃える。52/56/60°と3本並べても、バウンスがバラバラだと抜け感が毎ショット違う。3本揃えるなら同じグラインド系列で揃える。

中古の状態を見ない。スリクソンのウェッジは軟鉄なのでフェース面が摩耗する。溝の角が丸まった個体はスピン量が新品比で1,000rpm以上落ちることがある。中古購入時は必ずフェース面を目視確認する。通販なら返品可の店を選べ。

買い替えで不要になった旧ウェッジは、無料査定で処分すればRTZ新品の資金の一部になる。3本セットで1万円以上になるケースも珍しくない。

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今日決めるための一つの軸

迷ったら、自分のアイアンセットの顔を見ろ

ZXi4やZXi5のようなキャビティを使っているならウェッジはZXi5で繋ぐ。ZXi7やZ-FORGEDのようなブレードを使っているならRTZかRTX6 ZIPCOREで揃える。HS38-43のアベレージで予算を抑えたいなら、中古RTX6 ZIPCOREの52°Fバウンス・56°Mバウンスの2本を1.5万円以内で揃え、残った予算でレッスン3回を取る。この配分が投資効率では最も合う。

次のラウンド前に試打機で3球打て。スピン量・打ち出し角・キャリー距離の3つだけ見ろ。他は後回しだ。

Q: RTX6 ZIPCOREとRTZ、どちらを買うべきですか?

A: 月2ラウンド以上でアプローチに明確な不満があるならRTZ新品。月1以下または予算優先なら中古RTX6 ZIPCOREで十分だ。スピン量差は200〜400rpmで、体感できる差は小さい。

Q: スリクソンとクリーブランドのウェッジは何が違いますか?

A: 開発元は同じダンロップ傘下で技術基盤も共通だ。スリクソンはアイアンセットとの連動性を重視、クリーブランドはウェッジ単品としての完成度を追求している。アイアンがスリクソンならスリクソンで揃えるほうが自然だ。

参照元

🗺️ このブランド全体を見る: ゴルフクラブ ブランド完全マップ — 22 大ブランドの特徴と選び方

スリクソン の他カテゴリ完全ガイド

同カテゴリ 他ブランドとの比較

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