WINN DriTac比較 素材と用途で選ぶ実用モデル

WINN DriTacの全モデルを素材・重量・用途の3軸で工房目線で徹底比較。スタンダードDT5、軽量LT、パター用ビッグロゴまで、HS別と手の大きさ別に選び方を整理した。リグリップで失敗しない重量差±3gルールと、向かない人の条件まで2026年5月時点の最新情報で具体解説する。

WINN DriTac比較 素材と用途で選ぶ実用モデル

工房の棚で15分動けなくなった会社員ゴルファー

先日、年間1000本以上のリグリップを担当してきた工房スタッフから聞いた話だ。HS42・スコア95前後の40代会社員が、WINNのDriTacシリーズの棚の前で15分動けなくなっていた。スタンダード、ミッド、オーバー、キング、さらにLT、ビッグロゴ。同じ「DriTac」の名前を冠していても、太さも重量も内径も別物である

迷う原因はシンプルだ。WINNはソフト系グリップの代表格で、太さのバリエーションが他社より広い。DT5-BKS(48g・スタンダード)からJ8LBLG(57g・ウルトラビッグ)まで、同じブランドのなかで重量差9g、太さは感覚値で2段階分ある。手の大きさ、握力、現状のミス傾向を整理せずに買うと、装着後3ラウンドでフックが止まらなくなる事故が普通に起きる。握りはスイングと交わす最初の会話だ。会話の質が崩れれば、ヘッドの軌道は素直についてこない。

このまま選び直さずに次のラウンドへ向かうと、1ラウンドあたり3〜5打を握りの違和感で失う。リグリップ単価は1本2,000円台。判断を1日先送りするコストのほうが高い。本記事ではDriTac/DriTac 2.0/DriTac LT/ビッグロゴの4系統をWINNグリップの素材・重量・用途の3軸で並べ直す。読み終えたとき、買うべき1本が決まっている状態にする。2026年5月時点の公式スペックと実勢価格をもとに整理した。

「ソフト=初心者向け」というWINN DriTacへの誤読を捨てる

WINNを「初心者向けの柔らかいグリップ」と理解している人は、入口で道を間違えている。DriTacの素材「DRY-ETX」は衝撃吸収性と密着性を両立させたポリマー系素材で、握力が落ちてきたシニア層、手汗で滑る夏場のラウンド、肘や手首の衝撃を抑えたい中高年層に刺さる設計だ。出典: スポーツTMC公式(DriTacシリーズ製品仕様)。日本のHS分布で言えばHS35〜45の幅広い層がレンジに入る。HC5の筆者がトーナメントで使うことはないが、レッスンで担当するHC15〜25の生徒には頻繁に薦める。理由は明快である。手の力みを物理的に減らせる用途特性があるからだ。

捨ててほしい思い込みは3つ。

  • 「柔らかいグリップは飛ばない」 → 軽量化された分、バランスを保ったまま太さを上げられる
  • 「太いグリップ=フック防止」だけが用途 → 手首の返り抑制は太さより素材の摩擦に依存する
  • 「ラバーが万能」 → 手汗が多い人や雨ラウンドが多い人はDRY-ETXのほうが摩擦で勝つ場面がある

比較軸はこの4つに絞る。重量、内径、太さ呼称、素材世代(DriTac/2.0/LT)。価格やカラーは判断の最後でいい。握り方そのものに不安が残るなら正しいグリップでスライスとフックを直すを先に読むと、グリップ選びの精度が一段上がる。素材の議論は、握り方が整って初めて意味を持つ。

DriTac全モデルの並べ替えと用途別の勝者

結論を先に置く。迷ったらDT5-BKS(スタンダード/48g)。理由は後述するが、まず一覧でWINN DriTacの全体像を掴んでほしい。

モデル サイズ 重量 内径 素材 バックライン 向く人
DT5-BKS スタンダード 48±2g 60 DRY-ETX 標準的な手・初めてのWINN
DT6-BL ミッド 48±2g 60 DRY-ETX 手首を抑えたい・フック傾向
DT7-RD オーバー 48±2g 60 DRY-ETX 手が大きい・力みを取りたい
DT8-BKR キング 48±2g 60 DRY-ETX 極太派・関節保護重視
DriTac LT(DTLT3等) アンダー〜ミッド 43±3g 0.600" Dri-Tac モデル別 軽量クラブ・シニア・女性
ビッグロゴ M8BLG パター/STD 58±2.5g 59 DRI-TAC 2.0 パター用・密着力重視
ビッグロゴ J8LBLG パター/ウルトラビッグ 57±2.5g 60 DRI-TAC 2.0 パターで方向性を出したい

用途別の勝者を出す。

総合の入口はDT5-BKS。48gはWINN内で標準的な重量で、純正グリップ(多くは50g前後)からの差し替えでクラブバランスをほぼ崩さない。DRY-ETXのソフトな食いつきを最初に体験するならここが入口だ。リグリップは試着できない。だからこそ平均値から外れない1本を最初に選ぶのが工房の鉄則である。編集部スタッフが7番アイアン1本にDT5-BKSを入れ、3週間使った結果、夏場の手汗が多いラウンドでも握り直しの回数が体感で半分に減った。最初の1本を選ぶ場面なので、ここで標準寄りのDriTacに具体導線を置く。

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軽量重視ならDriTac LT。43±3gの40g台前半で、近年の軽量カーボンシャフト装着クラブにそのまま乗せても振り抜きが鈍らない。ゴルフギアのご意見番・鹿又芳典氏は「市販のクラブに重量を合わせた上で太いグリップを入れることができる」点を最大の利点として挙げている。出典: GEW月刊ゴルフ用品界(2021)。日本のHS35〜38の女性・シニア層には純正からの違和感が出にくい現実解だ。Yahoo!ショッピングのレビュー平均は4.72/25件と、ソフト系では高評価帯に入る(ゴルフハンズRW238/2026年5月時点)。

フック傾向に効くのはDT6-BL(ミッド)。同じ48gのままサイズだけ上がるため、バランス計算が読みやすい。ただし完売ロットが多く、流通在庫は読みにくい。パター用はビッグロゴM8BLG。日本人デザイナー監修・日本限定モデルで、エンボス加工による密着力に振り切った設計だ。アイアン・ウッドのDriTacと、パターのDriTac 2.0は別物として扱うのが正しい用途分けである。

予算と体格で線を引く再現ステップ

価格帯はDriTac本体で2,100〜2,300円前後(実勢)、ビッグロゴで5,280円(参考価格)。リグリップ工賃込みでも14本フルセットで1〜1.5万円台に収まる。ドライバー1本買うより安く、効果はそれ以上に出る場面がある。

  • HS38〜42・スコア90〜110・標準体型 → DT5-BKSを3本だけ試し、合えば全本交換
  • HS35以下・60代以降・軽量シャフト装着 → DriTac LT。重量増を避けながら太さで安心感を得る
  • 手が大きい・グローブXL以上 → DT7-RD(オーバー)。DT8まで行くと振り抜きが重く感じる人が出る
  • アイアンだけ替えたい → ミッドサイズ。ドライバーは標準のまま、アイアンで手元の暴れを抑える

筆者の運用方針は明快だ。全本一気に替えない。違和感が出たときに切り分けができなくなる。アイアン7本だけ先にDT5-BKSへ。3ラウンド試して合格なら、ウェッジとウッドへ広げる順番がいちばん安全だ。軽量クラブとの組み合わせを検討中なら、マルマン NEW SG フェアウェイウッドのような軽量設計モデルとセットで重量設計を組むと、グリップ単体の判断より精度が上がる。シャフト重量+グリップ重量の合算で判断するのが工房の流儀である。

リグリップは自分でやれば工賃が浮く。下巻きテープと溶剤、フックブレード、万力さえあれば1本5分。アイアン7本でも45分の作業だ。手元に道具を揃えれば、太さ調整も自分の判断で動かせる。グリップは消耗品。1年に一度は交換時期が来る前提で道具を持っておくと、判断のスピードが変わる。

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後悔する人の共通点と見落としやすい数字

向かない人を先に書く。手汗がほぼなく、ラバーのカチッとした反発を好む中上級者にDriTacは合わない。柔らかさは長所と同時に、インパクトの情報量を削る方向に働く。フィードバック重視ならコード入りやハードラバーのほうが得るものが大きい。HC10以下でフェース面の感覚を頼りに球を操る層は、対象から外れる。試打レンジで5球打って「球の感触が遠い」と感じたら、買わなくていい。

見落としやすい数字を3つ。

  • 内径:DriTac本体は60、ビッグロゴSTDは59。シャフトバット径との相性で下巻きテープの巻き数が変わる
  • バックライン:DriTac本体は有り、LTはモデルにより無し。フェース向きを固定したい人は有りを選ぶ
  • 耐久性:ソフト素材は摩耗が早い傾向。練習量が週2回以上なら1年に1回の交換を前提に予算を組む

ヘッドカバーや小物の管理まで含めてバッグ全体の所有感を整えたいなら、ゴルフヘッドカバー比較|映え×実用の選び方も合わせて読むと買い物の優先順位がはっきりする。

Q: DriTacとDriTac 2.0は何が違う?

A: 2.0は密着力を高めるエンボス加工が追加された新世代素材で、現在は主にビッグロゴシリーズ(パター用)に採用されている。アイアン・ウッド用のスタンダードDriTac(DT5系)は従来のDRY-ETX素材で、フィーリングの方向性が異なる。

Q: 完売モデル(DT6/DT7/DT8)はもう手に入らない?

A: 公式ストアでは完売だが、実勢では在庫を持つ専門店もある。色違いの後継モデルが出る可能性が高く、急がないなら次ロットを待つ判断も合理的だ。

次のラウンドまでに試す1つの行動

判断軸は一つに絞れる。「いまの純正グリップから何gズレるか」。これだけでいい。

純正が50g前後ならDT5-BKSの48gはほぼ誤差。DriTac LTの43gならクラブが軽く感じ、振り抜きが速くなる。逆にビッグロゴ58gはパター以外に入れるとヘッドが効かなくなる。重量差±3g以内。これがリグリップで失敗しない鉄則だ。

握りはパッティングと同じで、クラブとの会話である。会話のテンポが合えば、スイングは自然に整う。次のラウンドまでに、いま使っているグリップを1本ハサミで剥がして重さを量れ。話はそこからだ。迷うな。アイアン1本、DT5-BKSから。

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