SYSTEM2 vs Ai-DUAL TRI-BEAM 三角パター徹底比較
2026年女子ツアー開幕戦で激突したテーラーメイドSYSTEM2とキャロウェイAi-DUAL TRI-BEAMを徹底比較。フェース構造・打感・プロ評価・向く人を整理し、三角ネックパター選びで後悔しない判断軸を解説します。
SYSTEM2 vs Ai-DUAL TRI-BEAM 三角パター徹底比較
1. なぜ選べなくなるのか
三角ネックのパターを買い替えたいのに、候補が2つに絞れない。2026年春、その状況がさらに複雑になった。
沖縄・琉球ゴルフ倶楽部で開催されたダイキンオーキッドレディスの練習日。グリーンわきにテーラーメイドとキャロウェイの新作パターがずらりと広がっていた。両社とも三角ネックの新モデルを大量投入し、女子プロへ猛然とアピールしている。この記事では、テーラーメイド「SYSTEM2」とキャロウェイ「Ai-DUAL TRI-BEAM」のフェース構造・打感・カスタム性・プロの生声を同じ軸で並べ、「どちらを先に試打すべきか」を読み終わるまでに判断できるよう整理した。
三角ネック戦争の発端は2023年にさかのぼる。テーラーのトラスパターが女子ツアーを席巻したところへ、キャロウェイがトライビームで正面からぶつけた。以来3年、両社は毎春のように新型を投入し、ツアー使用率を奪い合ってきた。ただ2026年モデルは、これまでで最も設計コンセプトの差が開いた。金属削り出しか、AIインサートか——フェースの思想が完全に分かれたからだ。
開幕週の段階で全美貞、エイミー・コガ、鶴岡果恋、福田真未らが早くも実戦投入している。だが「プロが使ったから正解」ではない。ここから先は、あなた自身の手に合うほうを見極めるための材料を並べていく。
2. 「三角ネックなら全部同じ」は危ない
パター選びで最も遠回りになる思い込みが2つある。
一つ目はブランド指名買い。テーラーが好きだからSYSTEM2、キャロウェイ派だからTRI-BEAM——その入り口は悪くないが、三角ネックの構造上、フェース素材の違いが転がりと打感を決定的に左右する。ブランドで決め打ちすると、グリーン上で「想像と違う球の出方」に悩む確率が高い。
二つ目が「三角ネックならどれも同じ効果」という誤解だ。SYSTEM2はミーリング加工の金属フェースでボールを直接弾く。Ai-DUAL TRI-BEAMは第2世代の2層AIインサートがボールを受け止めてから送り出す。球に触れる面の設計が根本から違う以上、打音も初速もミスヒット時の距離散らばりも変わる。
だから、今回の比較では次の4軸だけに絞った。
- フェース構造——金属削り出しか、インサートか
- カスタマイズ性——ネジ交換・ネック位置の選択幅
- 打感の質——「硬い・柔らかい」ではなく、どんな柔らかさか
- プロの初動——実戦投入の有無と、具体的な言葉
この4つを押さえてから試打に行く。逆に、この軸を決めずにショップへ向かうと、店員のすすめとその日の気分で選んでしまい、3か月後にまたパターを替えたくなる——よくあるパターンだ。
3. 比較表と用途別の結論
| 比較軸 | テーラーメイド SYSTEM2 | キャロウェイ Ai-DUAL TRI-BEAM |
|---|---|---|
| フェース | ミーリング加工・溝付き金属削り出し | 第2世代Ai-DUALインサート(2層構造) |
| ネック | 三角ネック(トラス後継)。ヒールTB1/センターTB2を選択可 | トライビームネック |
| ヘッド構造 | 2ピース複合。トウヒールにネジ、パーツ分離が想定される | インサート+三角ホーゼル一体設計 |
| 打感(プロ評) | 「硬そうに見えたが溝のおかげで意外と柔らかい」山路晶 | 「打感が柔らかい。たくさん入った」鶴岡果恋 |
| 設計の狙い | 打感のコントロール性+カスタム自由度 | 順回転促進・ボールスピード向上・ミスヒット補正 |
| 主なヘッド | JUNO、DELMONTE(ピン型)、ARDMORE(ツノ型) | #1、DWほか定番ヘッド |
| 発売状況 | 未正式発表(ツアー先行のみ・2026年3月時点) | メーカー発表済み、スペック情報公開中 |
| 実戦投入プロ | 全美貞、エイミー・コガ | 鶴岡果恋、福田真未、藤本麻子 |
| テスト中のプロ | 倉林紅、入谷響、稲見萌寧 | — |
| 向く人 | 金属打感で距離を測りたい中〜上級者 | 柔らかさと転がりの良さを両立したい幅広い層 |
ミス補正と転がりの安定を取るなら——Ai-DUAL TRI-BEAM
キャロウェイ Ai-DUAL TRI-BEAM パター
キャロウェイのツアー担当者が、第2世代AIインサートの進化をこう語った。「初代はミスヒットのカバーが主眼でした。今作はそこに加え、順回転を促す性能が入っています。ボールスピードが出て転がりがいい」(GDO報道)。機能を"全部乗せ"した構造、と表現されるのも納得の仕様だ。
鶴岡果恋は即決だった。「初使用時にたくさん入ったのでイメージが良い。今シーズンはメインパターで使っていく」。福田真未と藤本麻子も開幕戦から投入しており、短期間でこれだけの選手が切り替える動きは、フィーリングの良さを裏付けている。
合う人:インサートの柔らかい打感が好み。ショートパットで転がりが弱い、あるいはミスヒット時の距離落ちが気になる人。 合わない人:金属フェースの弾き感で距離を手に伝えたいタイプ。インサート特有の「ぼやけた感触」を嫌う人は、試打前にSYSTEM2を先に握ったほうが判断しやすい。
打感の柔らかさはボールとの相性にも左右される。インサートパターに切り替えるなら、ボール側の選び方も同時に見直しておくと、試打時に正確な判断がしやすくなる。
打感を自分で追い込みたいなら——SYSTEM2
テーラーメイド SYSTEM2 パター
SYSTEM2の注目点は、トウヒールのネジと2ピースのセパレート構造にある。フェース側とヘッド後方が分離できるように見え、後方パーツをカスタム交換する設計が想定される(正式発表前の推測段階)。ミーリングフェースは金属の打感をダイレクトに返すが、山路晶は「溝があるからか意外と柔らかい」と評した(GDO報道)。見た目の硬質感と実際のフィーリングにギャップがある。
ヘッドごとにヒールネックTB1・センターネックTB2を選べるのも大きい。ストロークのアーク(軌道の丸み)に合わせてネック位置を変えられるのは、フィッティングを追求する中〜上級者にとって明確な武器になる。全美貞はDELMONTE TB1を、エイミー・コガはARDMOREを開幕戦で使用。稲見萌寧がテスト中という事実だけでも、このモデルへの関心の高さがわかる。
合う人:金属の打感で距離感を作りたい人。ネック位置やパーツ構成まで自分で選び込みたいフィッティング志向の人。 合わない人:打感の細かい差より、やさしさと結果の安定感を優先したい人。また、市販時期と価格が未確定のため「今すぐ買いたい」人には時期尚早だ。
4. 予算・レベル別の選び方
初めて三角ネックを試す人、100切りを目指す段階の人——Ai-DUAL TRI-BEAMが現実的だ。メーカー発表済みでスペック情報が揃っている。インサートの柔らかさがミスを吸収しやすく、順回転設計がパッティングの基本動作を覚える段階でプラスに働く。価格やモデル詳細はキャロウェイ公式サイトで確認できる。
打感の追い込みに時間をかけられる中〜上級者——SYSTEM2のミーリングフェースとネック選択の幅が候補に入る。ただし2026年3月時点では正式発売前。ツアー先行モデルに触れる機会があれば迷わず試打し、市販スペックが出るまでは「情報を集めて待つ」のが損をしない動き方になる。
パターだけで解決しない悩みを感じている人——距離感のズレがパターではなくアプローチの精度から来ているケースは多い。ウェッジの打感と飛距離特性を見直すことで、グリーン周り全体の手応えが変わることもある。パター交換と並行して、100ヤード以内のクラブ構成にも目を向けてほしい。
5. 買って後悔しないための3つの確認
SYSTEM2のリスク——ネジ交換やパーツカスタムが市販モデルで再現されるかは不明だ。ツアー専用仕様と一般販売品のスペックが異なる前例は過去に何度もある。「カスタムできるから」で購入を先走ると、いざ手元に届いたときに期待との落差が出る。正式発表を待ち、市販仕様を確認してから判断したい。
Ai-DUAL TRI-BEAMの盲点——「全部乗せ」構造のため、ヘッド重量やスイングバランスが独特になっている可能性がある。鶴岡プロには合ったが、ヘッドが重く感じる人も出るだろう。ショップで10球以上、自分のいつもの距離感で転がして確認すべきだ。1〜2球の試打では本当の相性はわからない。
三角ネック共通の注意点——この構造はヘッドの開閉を抑えるのが最大の特徴。だから、フェースローテーションを大きく使ってラインを出すタイプには窮屈に感じる場合がある。自分のストロークタイプに確信がなければ、ショップのストローク解析を1回受けてから試打に臨むほうが、無駄な買い替えを確実に防げる。
6. 迷ったら「フェースの好み」だけで決める
判断軸を一つに絞る。
「金属の弾き感で距離を測りたいか、インサートの柔らかさで転がりを信じたいか」。
SYSTEM2は前者、Ai-DUAL TRI-BEAMは後者。優劣ではなく、自分の手が「入る」と感じるかどうかだけの問題だ。
ショップかフィッティングスタジオで両方を握り、5フィート(約1.5m)のストレートラインを10球ずつ転がしてみてほしい。見るべきはカップインの数ではない。構えた瞬間に湧く安心感と、打った直後に手のひらに残る感触。この2つを比べれば、答えは自然に決まる。
2026年の三角パター戦争は、まだ開幕したばかりだ。シーズンが進めばツアーでの使用率データも出てくる。だが、最終的にあなたのスコアを動かすのは使用率の数字ではない。自分のストロークで転がしたときの、あの「入る気がする」感覚だ。
参照元
- “△パター戦争・26春の陣” テーラー「SYSTEM2」VSキャロウェイ「Ai-DUAL TRI-BEAM」沖縄でばっちばち(ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)) | news.yahoo.co.jp
- “ パター戦争・26春の陣” テーラー「SYSTEM2」VSキャロウェイ「Ai-DUAL TRI-BEAM」沖縄でばっちばち 【国内女子ツアー LPGA】 | news.golfdigest.co.jp
- “ パター戦争・26春の陣” テーラー「SYSTEM2」VSキャロウェイ「Ai-DUAL TRI-BEAM」沖縄でばっちばち(ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)) - Yahoo!ニュース | news.yahoo.co.jp