ダフリもトップも消える「通過点」の作り方

「ボールをクリーンに打てる人は何が違う?インパクトを安定させる基本」をテーマに、初心者・中級者向けに要点と練習の始め方を整理したレッスン記事。ボールストライキングが不安定でダフリ・ト...に向けて、失敗しやすい点や見直し方もまとめて読める。まずはアドレスからPIPポジションまでクラブを降ろし、クラブヘッド...から始め

ダフリもトップも消える「通過点」の作り方

練習場では当たるのに、コースに出るとダフリやトップが止まらない。スイングを直そうとするほど動きがぎこちなくなり、何を意識すればいいか分からなくなる。そんな経験はありませんか?

ボールストライキングが安定しない原因は、インパクトそのものではなく、インパクト直前にクラブが通るべきポジションを知らないことかもしれません。Ashley Knoll Golfが提唱する「プレインパクトポジション(PIP)」は、ダウンスイングの途中に明確な通過点を設けることで、ミスの連鎖を断ち切るアプローチです。この記事では、PIPの考え方と2つの実践ドリル、そしてコースで使えるプレショットルーティンまでを噛み砕いて解説します。

この記事でわかること

  • インパクト前に通るべき「通過点」の正体と4つのチェック項目
  • パンプドリルで通過点を体に覚えさせる方法
  • 10秒で完了するプレショットルーティンの組み立て方

この記事で学ぶ3つのポイント

1. インパクトの成否は「通過点」で決まる

PIP(Pre-Impact Position)とは、ダウンスイングの途中でクラブヘッドがボールの真上を通過する瞬間のことです。Ashley Knollが名付けた独自の用語ですが、考え方はシンプルで、この通過点を正しく通れていれば、インパクトは自然に整うというものです。

通過点で確認すべき項目は4つあります。

  • クラブヘッドがボールの真上にある
  • リード手(左手)の甲がターゲット方向を向いている
  • トレイル手(右手)がアドレス時の位置を保っている
  • クラブフェースのリーディングエッジが地面に対して垂直に近い

リーディングエッジとはクラブフェースの下端のラインのこと。ここが開いたまま通過点に来ると、フェースが返りきらずスライスやプッシュアウトが出やすくなります。リード腕の動きが変わる?ボールを捉える感覚の作り方でフェースコントロールの基本を押さえておくと、通過点のチェックがより正確になります。

明日の練習で試すこと: アドレスからハーフダウンの位置までクラブをゆっくり降ろし、4つの項目を目視で確認する。5球に1回このチェックを挟むだけで、自分のズレに気づけます。

2. パンプドリルで通過点を体に刷り込む

パンプドリルは、トップの位置から通過点までクラブを2〜3回往復させてから、そのままボールを打つ練習法です。ジャスティン・ローズがプレショットルーティンに取り入れていることでも知られています。

7番アイアンでアドレスを取り、バックスイングからトップへ上げたら、クラブを通過点まで降ろしてまたトップへ戻す。これを2〜3回繰り返し、最後の下ろしでそのままボールを打ち抜きます。パンプ中に胸がターゲット方向へ開いてしまうと通過点を通れないので、「胸はボールを見たまま、手元だけが上下する」くらいの意識がちょうどいいです。

最初は素振り3回、打球1回のサイクルで。20球×3セットをひとつの目安にしてください。

明日の練習で試すこと: ウォームアップ後、7番アイアンでパンプドリルを20球打つ。通過点を通れている球は打感がはっきり変わるので、体が違いを覚えてくれます。

3. 10秒ルーティンでコースに持ち出す

練習場で通過点の感覚がつかめたら、それをコースで再現するためのプレショットルーティンに統合します。手順は3ステップ。まず右手を開いた状態で3回スイングし、手のひらの向きがアドレスから通過点まで変わっていないか確認する(オープンハンドドリル)。次にアドレスに入り、最後に通過点を頭の中でイメージしてからスイング。全体を10秒以内に収めます。

ルーティンが長くなると余計な思考が入り込み、かえってスイングが固くなります。10秒を超えたらやり直すくらいの基準で練習すると、コースでもテンポが崩れにくくなります。

明日の練習で試すこと: 練習場で10球ごとにルーティン完全版を実行してみてください。タイマーで計ると、自分のテンポのクセが見えてきます。


よくある失敗と修正の考え方

通過点を外す最大の原因は、上体が先に開いてしまうことです。ダウンスイングで胸がターゲット方向を向くのが早すぎると、腕の行き場がなくなり、チキンウィングやすくい打ちが連鎖的に発生します。

チキンウィングとは、インパクト付近でリード腕の肘が体の外側に逃げる動きのこと。フェースが開いたままボールに当たるため、薄い当たりやスライスの原因になります。

修正の方向はシンプルです。「胸をボールに向けたままクラブを通過点まで降ろす」感覚を持つこと。下半身は左ヒップが先に動いて構いませんが、胸が追いかけるのはクラブが通過点を過ぎてからです。ジャスティン・ローズのスイングでこの順序が明確に見えるのは、通過点を確実に通ってから体を開いているからです。

スローモーションでダウンスイングの前半だけを10回繰り返してみてください。胸が早く開く癖がある人は、3回目あたりで「こんなに胸を残すのか」と感じるはずです。その違和感が正解に近いサインです。

足元にアライメントスティックを1本置いておくと、通過点でクラブヘッドがボール真上にあるかどうかがひと目で分かります。実際にやってみると、思っていた位置と5cm以上ずれていることも珍しくありません。


初心者がまずやること

静的チェックから始める

いきなりパンプドリルに入る前に、まずは止まった状態で通過点を確認するところから始めるといいです。アドレスを取り、クラブをゆっくりハーフダウンの位置まで降ろして、4つのチェック項目(クラブヘッド位置・左手甲の向き・右手の位置・リーディングエッジの角度)を目で見て確認する。この静的チェックを1日5分、1週間続けると、体が「正しい位置」を記憶し始めます。

鏡の前やスマホの自撮りで確認すると効果が上がります。自分では「降ろせている」と思っていても、映像を見ると右手がフリップしていたりリーディングエッジが開いていたりするケースが大半です。

パンプドリルは7番アイアンだけでいい

静的チェックに慣れたら、パンプドリルに移行します。最初のうちは7番アイアン1本に絞ってください。クラブが変わると意識が分散するので、1本で通過点の感覚をつかむことを優先します。

自宅でパンプのリズムだけ練習したい場合は、短めの素振り用練習器具があると場所を取らず反復できます。実際に振ってみると、通過点で止める感覚がつかめるまでに30回ほどかかる人が多いです。

自分のグリップタイプを知っておく

通過点での手の位置は、グリップの握り方によって変わります。Ashley Knollはグリップをトップ型(マキロイ、シェフラーに近い)、サイド型(アダム・スコットに近い)、ボトム型(ラーム、デシャンボーに近い)の3つに分類しています。これは独自の分類で、一般的なストロング・ニュートラル・ウィークとは切り口が違いますが、「自分の手がどこにあるべきかを知る」うえでは実用的です。

動画説明欄のグリップテスト(無料)で自分のタイプが分かります。タイプを把握してから通過点の練習をすると、手の正解が明確になり迷いが減ります。


中級者が伸ばすポイント

オープンハンドドリルでフリップを検出する

パンプドリルで通過点を通れるようになったら、次は手の動きの「精度」を上げる段階です。オープンハンドドリルは、トレイル手(右手)を開いた状態でスイングする方法で、手のひらの向きがアドレスから通過点まで変わっていないかを確認できます。

フリップ(手首が返る動き)が入っていると、開いた手のひらの向きが途中で回転するので一発で分かります。3スイング1セットで十分。毎回の練習冒頭にこれを入れるだけで、その日のスイングの基準線がセットされます。

右肘の向きだけで球筋は変えられるで解説している右肘のポジションと組み合わせると、通過点での腕全体の収まりがさらにクリアになります。

ドライバーにも同じルーティンを使う

2026年4月時点で、この通過点ルーティンはアイアンだけでなくドライバーにもそのまま応用できます。ドライバーはティーアップしている分、通過点がやや高い位置になりますが、手順はまったく同じです。

力まず飛ばす人は何が違う?飛距離を変える3つの基本と組み合わせると、力みなくヘッドが走る感覚と通過点の安定感が同時に手に入ります。ドライバーでもアイアンでも「通過点を通る」というテーマが一つあれば、クラブごとにスイングの考え事を変えなくて済む。この考え事を減らす効果こそ、ルーティンの本当の価値です。

オープンハンドドリルの手のひら向きを客観的に見たいなら、スマホを後方にセットして撮影するのが手っ取り早い方法です。三脚があると毎回同じアングルで比較できるので、変化に気づきやすくなります。


次にやること

通過点の練習で最初に手をつけるべきは、パンプドリルの20球です。練習場に着いたら、ウォームアップの後に7番アイアンで通過点チェック付きのパンプドリルを20球。これだけで、自分がどの程度通過点を通れているかが分かります。

その感触をもとに、翌週からオープンハンドドリルを加え、最終的に10秒ルーティンとして統合していく。1週間1ステップのペースで十分です。焦って全部を一度にやると、どれも中途半端になります。

この練習が向いていないのは、すでにダウンスイングの軌道を別のコーチと作り込んでいる最中の人です。指導方針が混在するとかえって迷いが増えるので、今のコーチのメソッドを優先してください。逆に、プレショットルーティンが定まっていない人や、ダフリ・トップの原因が分からずに打ち方を変え続けている人にとっては、「通過点を一つ決める」というシンプルな基準が練習の軸になります。


Q: PIPはどのクラブでも同じ位置ですか?

基本的な考え方は全クラブ共通ですが、ボール位置がクラブによって変わるため、通過点の高さや体との距離感は若干異なります。まずは7番アイアンで感覚をつかみ、そこからウェッジ→ドライバーへ広げていくのが無理のない順序です。


出典メモ: 本記事は The 10-Second Magic Spot That Fixes Your Ball Striking Instantly をもとに、初心者・中級者が行動に移しやすい形へ再構成しています。 チャンネル: Ashley Knoll Golf。細かい動きやニュアンスは元動画を確認してください。

参考動画・参考情報


Read more

スコアを決めるのはクラブ選択 アプローチと番手の判断軸

スコアを決めるのはクラブ選択 アプローチと番手の判断軸

「コースで崩れる人が見落としている?狙い方を変える基本」をテーマに、初心者・中級者向けに要点と練習の始め方を整理したレッスン記事。100切りから80台を目指す中級者に向けて、失敗しやすい点や見直し方もまとめて読める。まずは練習場で5番アイアンと同距離のユーティリティを打ち比べ、ミス...から始めるのがおすすめ。

アーリーエクステンションを消す切り返し 手のプル始動ドリル

アーリーエクステンションを消す切り返し 手のプル始動ドリル

「アーリーエクステンションに悩む人に効く ダウンスイング始動の本質的な問い直しの整え方」をテーマに、初心者・中級者向けに要点と練習の始め方を整理したレッスン記事。アーリーエクステンションに悩む人に向けて、失敗しやすい点や見直し方もまとめて読める。まずは自分のダウンスイングを動画撮影し、『下半身が先に動いている』...か