ゴルフグリップ握り方3種類を徹底比較
ゴルフグリップの握り方3種類(オーバーラッピング・インターロッキング・テンフィンガー)を比較。スライスやフックのミス別に自分に合ったグリップの選び方と、初心者から中級者まで使える正しい握り方の基本を解説します。
グリップを変えたら、翌週の練習でスライスが止まった。そういう話は珍しくない。クラブと体が唯一接する部分だからこそ、握り方のわずかなズレがスイング全体に波及する。
3種類の握り方のどれを選ぶかで、フェースの開閉の大きさが変わり、ミスの方向が変わる。「なんとなく握ってきた」という人こそ、一度立ち止まって確認する価値がある。この記事では、自分のミスのパターンと照合しながら選べる比較軸を整理する。
グリップ選びで迷う理由
オーバーラッピング、インターロッキング、テンフィンガー。名前は聞いたことがある。でも、どれが自分に合うかは誰も教えてくれない。
レッスン書には「プロも使っている」という記述がどれにも並んでいる。タイガー・ウッズはインターロッキング、石川遼もインターロッキングベース。じゃあインターロッキングが正解かというと、手の大きさや握力が違えば話は変わる。
さらに混乱させるのが、握り方の「形」とは別に存在するフェース向きの分類だ。ストロンググリップ、スクエアグリップ、ウィークグリップの3種類が加わると、組み合わせは一気に増える。選択肢が多いほど、正解がわからなくなる。
ここでは形の3種類(オーバーラッピング・インターロッキング・テンフィンガー)を軸に、それぞれの特徴と向く人を整理する。
「プロが使っているから正しい」は罠
「プロが使っているから正しい」で選ぶのは危うい。プロは自分の体の特性とショットの傾向に合わせて何年もかけてグリップを調整している。初心者がコピーしてうまくいく保証はない。
もう一つ。「握り方を変えるとスコアが下がる」という恐れも、多くの場合は思い込みだ。正しい握り方に変えた直後は違和感があるが、それは適応のプロセス。3〜4週間の練習で慣れることがほとんどだ。
今回使う比較軸はシンプルに3つ。
- 両手の一体感(スイング中のブレにくさ)
- 手の自由度(フェース操作のしやすさ)
- 向く人の条件(手の大きさ、握力、ミスの傾向)
価格やブランドではなく、自分のミスのパターンと照合して選ぶのが最短ルートだ。
3種類の比較表と結論
| グリップ | 両手の一体感 | 手の自由度 | 向く人 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| オーバーラッピング | ★★★ | ★★★ | 手が大きい・右手が強い | 手が小さいと安定しにくい |
| インターロッキング | ★★★★★ | ★★ | 手が小さい・手首を抑えたい | 小指に負荷がかかる |
| テンフィンガー | ★★ | ★★★★★ | 握力が弱い・ジュニア・女性 | 右手が暴れやすい |
総合的に最初に試すべきはオーバーラッピング。理由は明快で、右手の動きをある程度許容しながらも両手がまとまりやすく、自分のスイングの癖を把握しやすい。上級者になってからグリップを微調整するときの基準にもなる。
ただし、スライスが止まらない場合や、スイング中にグリップがぐらつく感覚がある場合はインターロッキングを試す価値がある。左手の人差し指と右手の小指を絡ませることで、両手が一体になり、フェースの余計な動きが物理的に制限される。タイガー・ウッズが採用した理由の一端はここにある。
スイングの安定感を底上げしたい段階で、グリップ交換と合わせて見直すのが効率的だ。放置すると劣化したグリップの影響でスイングの崩れが癖として定着するため、グリップ素材の状態は早めに確認したい。グリップ素材の劣化はスイングに直結するため、定期的な交換も習慣にしたい。
テンフィンガーは10本全ての指でクラブを握る形。野球のバットと同じ感覚なので最初は打ちやすいが、右手が暴れやすくフックが出やすくなる。女性ゴルファーやシニアで握力が落ちてきた方、あるいはジュニアには選択肢として合理的だ。
初心者・中級者別の選び方
アイアンとドライバーの振り方を変える基準でも触れているように、スイングの土台となる動きを固める段階では、グリップの安定性を最優先にすべきだ。
スコア100以上の段階なら、まずオーバーラッピングかインターロッキングのどちらかで固定する。どちらを選ぶかは手の大きさで判断していい。
- 手が小さい、または指が短い → インターロッキング
- 手が普通以上のサイズ → オーバーラッピング
スコア90〜100の段階になると、自分のミスのパターンが見えてくる。スライスが多いならグリップ形状よりも先にフェース向き(ストロング/スクエア/ウィーク)を確認したほうが根本解決になる。スクエアグリップで左手のナックルが2個見えている状態が基準で、それより右手が回りすぎているとウィークになりスライスが出やすい。
アドレス時に左手の甲がやや正面を向く自然な位置でグリップを決めるのが基本で、アドレスしてから合わせようとすると甲が横を向きウィークになりやすい。この点はgolfdo.comやChicken Golfの解説でも共通して指摘されている。
グリップを見直すのと同時に、練習器具を使って正しいフォームを身体に刻む方法も効率的だ。スイング軌道の矯正に特化した練習器具は1,500円前後から入手できる。
失敗しないために確認すること
グリップを変えるときに見落とされるのが「グリップの太さ」だ。形(オーバーラッピング等)だけ変えても、ゴムグリップ自体の太さが合っていないとスイング中の余分な力みが取れない。
手の大きさに対してグリップが細すぎると、右手が過剰に働いてフックが出やすくなる。太すぎると手首の動きが制限されすぎて、方向性がバラつく。標準と言われるM58やM60サイズから始めて、違和感があれば太さを調整するのが現実的だ。太さが合っていないグリップを使い続けると癖が固まるため、早めに自分のサイズを把握しておきたい。
向かない条件も明確にしておく。
- インターロッキングが向かない人: 小指の関節に持病がある方。絡ませる動作で負担がかかる。
- テンフィンガーが向かない人: スコア80台以下を目指している中上級者。右手の自由度が高い分、コントロールの精度が落ちやすい。
- オーバーラッピングが向かない人: 手が極端に小さく、右手の小指が人差し指と中指の間に乗せにくい方。
Q: グリップを変えたらしばらくスコアが落ちるのは仕方ないですか?
A: 最初の2〜3週間は違和感と若干の方向性のバラつきが出る場合があります。1ヶ月以上経っても改善しない場合は、グリップ形状ではなくフェース向きや握る強さ(グリッププレッシャー)に問題がある可能性があります。握る力は「4〜5(10段階中)」が目安で、力を入れすぎると手首が固まりスイングの再現性が下がります。
迷ったときの最後の一基準
迷ったまま打ち続けるより、一つ決めて3週間試したほうがずっと早く答えが出る。
今日から使える判断軸は一つだけ。「スライスかフック、どちらのミスが多いか」。
スライスが多いならインターロッキングでグリップをまとめ、左手のナックルが少なくとも2個見える位置で握り直す。フックが多い場合はオーバーラッピングに戻して右手の力みを確認する。テンフィンガーは「握力が続かない」「クラブが重く感じる」という悩みが出てきたときの選択肢として取っておく。
グリップは変えてから効果が出るまでに時間がかかる。だからこそ、一度決めたら余計に変えない。「次の練習ラウンドで確認する」というゴールを設定して試してほしい。グリップ選びと並行して専用の練習器具を手元に置いておくと、フォームの定着スピードが上がる。
今日グリップの握り方を一つ決め、次の練習でそれだけを試すことが、スコア改善への最も確実な一歩になる。
参照元