ドロップは膝の高さに変わった 2019年新ルールと正しい手順

2019年のゴルフルール大改正でドロップの高さは肩から膝に変更。リリーフエリアの設定手順、再ドロップの条件、旧ルールとの違いを比較表付きで解説。コースで迷わないための正しい手順を初中級者向けにまとめました。

ドロップは膝の高さに変わった 2019年新ルールと正しい手順

2019年のゴルフルール大改正で、ドロップの高さが変わった。肩の高さから膝の高さへ。この一点だけは、コースに出る前に必ず頭に入れておかなければならない。旧ルール通り肩の高さで落としてプレーしてしまうと、1打罰が科される。知らなかったでは通らない。

2026年5月時点でも、ラウンド中に誤ったドロップを見かけることは珍しくない。リリーフエリアでの正しい手順を一度整理しておけば、コースで迷う場面がなくなる。この記事では、旧ルールとの違い、膝の高さに変わった理由、ドロップ周りの判断ポイントを順番に解説する。


ドロップで迷う原因は「高さだけではない」

ドロップのルール改正を「なんとなく聞いた」けれど、いざコースで試みると手順があやふやになる。これがアマチュアのあるある状況だ。

問題は高さの変更だけではない。ドロップの起点となる基準点の決め方、救済エリアの大きさ(クラブレングスで測るときのクラブ選択)、エリアを外れたときの再ドロップとプレースの使い分け。この一連の流れが整理できていないと、ドロップのたびに同伴者と確認し合う場面になる。

旧ルールと新ルールの違いを表で整理する。

項目 旧ルール(2018年以前) 新ルール(2019年〜現行)
ドロップの高さ 肩の高さから腕を伸ばして落とす 膝の高さから真下へ落とす
救済エリアの測定クラブ 使用クラブで可 パター以外の最も長いクラブで測定
ドロップ後の条件 2クラブレングス以内に止まること 救済エリア内に止まること
エリア外に出た場合 再ドロップ→それでも出たらプレース 2回まで再ドロップ→3回目はプレース
ペナルティエリアの呼称 ウォーターハザード ペナルティエリア(赤杭・黄杭)

このうち「クラブ選択」の変更は見落とされやすい。以前はどのクラブでも計れたが、新ルールではドライバー(パターは除外)など最も長いクラブで測るのが原則だ。救済エリアが実質広がるケースも出てくる。


「無効になるだけ」という誤解が最も危険

肩の高さでドロップしても無効になるだけ、と思っていないか。

誤解している人が多いが、そうではない。旧ルール通り肩の高さからドロップしてそのままプレーした場合、1打罰が科される。無効ではなく、罰打つきで進行したことになる。競技では気づかずに次のホールへ進めば、より重い裁定が下る場合もある。

もう一つの誤解が「どこからでも膝の高さで落とせばOK」という解釈。基準点とリリーフエリアの設定が先だ。ニヤレストポイント(救済の基点)を特定し、そこから1クラブレングス以内(または2クラブレングス、状況による)の救済エリアを決めてから、そのエリアの中にドロップしなければならない。膝の高さから正しく落としても、エリアの外に止まれば再ドロップが必要になる。

高さと着地点のルール、両方を正しく覚える。片方だけでは不十分だ。


膝の高さ・リリーフエリア・距離計 実戦的な4つの疑問

Q: 膝の高さとは、どの位置から落とせばいいのか?

A: 立った状態の膝の高さから、ボールを真下に落とす。腕を前に伸ばして斜めに落とす必要はない。規則上も「knee height(膝の高さ)」と明記されており、傾斜地に立っているときはその立ち位置での膝の高さで構わない。高さを正確に測ろうとするより、「肩からは絶対に落とさない」と意識するほうが実戦的な覚え方だ。


Q: ニヤレストポイントはどうやって決めるのか?

A: カート道や修繕地など異常なコース状態の救済では、(1)障害を避けられる、(2)ホールに近づかない、(3)元々の球があったエリアと同じエリアである、という3条件を満たす最も近い地点がニヤレストポイントになる。実際のコースでは、その地点に仮に立って構えてみて、クラブがじゃまにならないかを確認するのが確実な方法だ。

ここで使う「最長クラブ」はパターを除いた自分のバッグ内で最も長いクラブ(多くの場合ドライバー)。1クラブレングスか2クラブレングスかは状況(アンプレヤブル・ペナルティエリアなど)によって変わる。

申ジエの救済処置は"ズル"なのか? 線引きが難しい合理・不合理の判断でも詳しく解説しているが、ニヤレストポイントの判断は競技でも意見が割れるほど難しい。疑わしいときは同伴者立ち会いのもとで決定することを勧める。


Q: ドロップしたボールがリリーフエリアの外に出たらどうする?

A: 1回目はもう一度同じ手順で再ドロップする。2回目もエリアの外に出た場合は、2回目のドロップでボールが最初に地面に触れた地点にプレース(置く)する。合計3回目でプレースに移行するため、「何度でも再ドロップ」という解釈は誤りだ。ホールに近づく方向にボールが転がった場合も再ドロップが必要になる点も覚えておきたい。


Q: 距離測定器は新ルールで使えるようになったのか?

A: 2019年の改正で距離測定器の使用が認められた。ただし「ローカルルールで禁止していない場合」に限られる。競技では委員会が認可した場合のみ使用可能で、傾斜計機能付きモデルはJGA競技では使用不可とされているケースが多い。一般アマのプライベートラウンドなら実質ほぼ問題なく使える、というのが編集部の見立てだ。

ボールサーチが5分から3分に短縮された新ルールともセットで考えると、距離計による判断の速さはペースアップに直結する。スコア100を切るためのコースマネジメントの前提は、正確な残り距離の把握にある。

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次のラウンド前にやっておく4つの確認

Q&Aで整理したルールを、ラウンド前に一度動いて体に入れておく。座学で読んだだけでは、コースで咄嗟に出てこない。

  1. 自宅でドロップの高さを確認する — ゴルフボールを膝の高さから真下に落とす動作を10回繰り返す。肩から落とす癖が残っていればここで気づく。
  2. 最長クラブ(ドライバー)でクラブレングスを体感しておく — 実際のクラブを使い、1クラブレングスの距離感を視覚的に覚える。
  3. リリーフエリア設定の手順を声に出して確認する — 基準点特定→エリア決定→膝の高さでドロップ→着地確認、の4ステップを言語化しておく。
  4. 距離測定器を使うラウンドならローカルルール確認を忘れない — スコアカードかクラブハウスの掲示で確認するのが確実だ。

コースでのドロップはスイングと違い、「練習」する機会がほとんどない。だからこそ、ラウンド前の5分で手順を頭に入れておく価値がある。


競技に出始めたなら、この段階でルールブックを一冊持て

ルールを「完全に理解してから」ラウンドに出ようとする必要はない。基本的なドロップ手順と罰打の条件さえ押さえれば、コースで対応できる場面は増える。

一方、競技ゴルフに出始めた段階であれば、JGA公式のルールブックを一冊手元に置くことを勧める。2019年改正版(または最新の2023年版)を参照すれば、細かい状況の裁定も確認できる。プライベートラウンドで「ルールで仲間ともめたくない」という人は、JGA公式ルールアプリを活用する手もある。

「まだルールをほとんど知らない」という段階であれば、ドロップ・紛失球・OBの3つだけ先に押さえろ。この3つで、ルール違反の大半は防げる。


ドロップの1打を無駄にしないために

2019年のゴルフルール大改正で最も目に見えて変わったのが、リリーフエリアでのドロップの高さだ。肩から膝へ。これは単なる動作の変更ではなく、旧来の習慣で動けば即1打罰につながるルールの転換点だった。

ドロップはスイングと同じ「スコアに直結する場面」だ。正しい手順で救済を受けられれば、不要なペナルティを避けられる。誤れば、いいショットを打った後の1打が消える。ルールをキャディーに任せきりにしていたプロでさえ、この改正で確認作業を増やした。アマチュアなら、なおさら自分で動けるようにしておく必要がある。次のラウンドで一度、意識してドロップの手順を実行してみること。それが習慣になれば、もう迷わない。


参照元

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