プロギア アイアン歴代比較 工房試打で選ぶHS別おすすめ
先週、HS41の常連客が02アイアン(2020年モデル)を工房に持ち込んできた。「05に替えようか3週間悩んでいる」と言う。打球を計測すると、#7で160ヤード・弾道の高さも十分だ。05に替えれば番手ロフトが立つぶんだけ飛距離は増えるが、弾道が低くなってグリーンに止まりにくくなる。答えは5分で出た。現状維持が正解だ。
プロギア アイアンは「番号が大きいほどやさしい」という感覚で語られがちだが、2020年代のラインナップにはそれが当てはまらないケースがある。歴代の設計変遷を把握しないまま選ぶと、HSにも弾道にも合わないモデルを買う羽目になる。この記事では1984年の500シリーズから2022年の03アイアンまで歴代モデルを年表で整理し、現行ラインナップのHS別比較・中古相場・選び分け基準を示す。
04と05が「別物」である理由
2026年5月時点で「現行・現役相当」として流通するプロギア アイアンは8種類を超える。
- 00アイアン(軟鉄鍛造 / 競技向け)
- 01アイアン(バランス型 / 2020年モデル)
- 02アイアン(2020年モデル・2023年モデルで別物に近い)
- 03アイアン(2022年 / シャープ形状の飛び系)
- 04アイアン(2024年 / 易しさ特化)
- 04 Limited Black Edition
- 05アイアン(2021年 / 3レングス設計)
- egg IRON / SUPER egg
特に混乱を招くのが04と05だ。04は易しく上げる深重心設計、05は全番手の距離均等化を目的にした3レングス設計であり、思想が根本から違う。数字が並んでいるだけで「05の方が易しそう」という先入観が生まれる。HS38以上のゴルファーが05を選ぶと全番手で弾道が低くなりやすい。工房では月に2〜3件は同じ相談が来るパターンだ。
番号ではなく、設計の思想で選ぶ必要がある。それを理解するには年表から入るのが早い。
1984年から2022年まで PRGRアイアン設計の系譜
「プロギアは飛び系ブランド」というイメージはegg(2007年)以降に定着した先入観だ。実際には1983年にヘッドスピード別設計を開始しており、科学的アプローチは創業期から一貫している。
プロギア アイアン 歴代年表
| 発売年 | モデル名 | 設計コンセプト |
|---|---|---|
| 1984 | 500シリーズ(CT-502) | ニューラインコンセプト / ロングアイアンのソール幅を拡大 |
| 1988 | インテストLX(通称タラコ) | カーボンアイアン / ユーティリティクラブの先駆け |
| 1988 | M30 | 女性専用フルセット / 初の女性特化科学設計 |
| 1993 | DATAアイアン(DATA 611 / 601) | 重心の3次元精密設計 / 数値化されたギア設計を先行実装 |
| 1997 | ZOOM i | チタン×タングステン複合構造 / ドライビングアイアンの原型 |
| 2001 | 900シリーズ / DREAM | 中空構造採用 / 易しさ特化の初期モデル |
| 2007 | egg PC-01 | 元祖飛び系 / 高反発設計で業界常識を揺るがした |
| 2020 | 01 / 02アイアン | PRGR IRONsシリーズ始動 / 永久性能の追求をコンセプトに |
| 2021 | 05アイアン | 3レングス設計 / ミドル・ショート・ウェッジで長さを統一 |
| 2022 | 03アイアン | シャープなフォルム / 飛び系の進化系として登場 |
出典: PRGR IRON History | プロギア(PRGR)オフィシャルサイト
年表を読むとひとつのことが見えてくる。PRGRは「全部入りの万能アイアン」を作ってきたブランドではない。飛距離特化、精度重視、易しさ追求と、モデルごとに役割が違う。これが選びにくさの本質だ。
「全部入りのやさしいアイアン」を探しているなら、プロギアでその条件に最も近いのは04アイアンだ。
現行8モデルをHS別・価格帯別に並べる
現行・流通モデルをHS別・価格帯別で比較した。
| モデル | 推奨HS(目安) | 設計の特徴 | 新品価格帯(7本) | 中古相場 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 00 | 45以上 | 軟鉄鍛造 / 操作性重視 | 15〜18万円 | 4〜7万円 | 競技・シングル |
| 01 | 40〜46 | バランス型 / 打感優先 | 13〜16万円 | 3〜6万円 | スコア80台狙いの中級者 |
| 02(2023) | 38〜43 | 寛容性+打感の両立 | 13〜15万円 | 5〜8万円 | 中級者の主流選択 |
| 03 | 40〜45 | シャープ形状 / 高弾道飛び系 | 12〜15万円 | 5〜7万円 | 見た目を妥協したくない中上級者 |
| 04 | 35〜41 | 深重心 / 上げやすさ特化 | 12〜14万円 | 4〜7万円 | HS38〜41の万能候補 |
| 05 | 33〜38 | 3レングス / 距離均等化 | 11〜14万円 | 4〜6万円 | HS35以下・シニア層 |
| egg IRON | 38〜44 | 高反発 / 飛距離特化 | 10〜13万円 | 3〜6万円 | 飛距離を最優先するゴルファー |
| SUPER egg | 33〜38 | egg超えの易しさ | 10〜12万円 | 2〜5万円 | HS35以下で距離が足りない人 |
用途別の結論。
- 総合バランス推奨 → 04アイアン(HS38〜41という日本のアマチュア最頻帯をカバー)
- 打感と形状重視 → 01または02(2023年モデル)
- 飛距離最優先 → egg IRON(グリーンを止める精度への割り切りが必要)
- シニア・HS35以下 → 05またはSUPER egg
03アイアンは「飛び系なのに構えやすい」点が他の飛び系モデルと一線を画す。軟鉄鍛造ボディ採用で打感が柔らかく、飛距離と見た目を両立したい中上級者に選ばれやすい。HS40前後なら01との同日試打を強く勧める。構えたときの形状は長期的なモチベーションに直結する。アイアン選びでブランドを横断して比較したい場合は、ピン G740対i540 どちらが自分に合うかも参考になる。設計思想の違いを整理する視点として使える。
HS帯と予算から候補を2本に絞る
迷いを断ち切る軸は3つある。
① HSで候補を2本に絞る
- HS45以上 → 00または01。形状への妥協は不要
- HS40〜44 → 01・02・03から試打。弾道の高さで決める
- HS38〜41 → 04が筆頭。03の試打も同日に入れること
- HS35〜38 → 05かSUPER egg。3レングスが自分に合うか現地確認必須
- HS35以下 → SUPER egg一択に近い
② 新品か中古かを決める
HS38〜42で予算を抑えたいなら、02(2020年モデル)の中古が合理的だ。3〜5万円台で入手でき、現行04と同等以上のボール初速が出るケースもある。ただし現行02(2023年)とはロフト角が異なる。#7のロフトは2020年版で34°前後、2023年版で30〜31°程度と差があり、同じ「02アイアン」表記でも実測キャリーで5〜10ヤード変わる可能性がある。ネット中古で購入するなら必ずモデルコード・年式を確認すること。
「予算重視なら02(2020)中古、性能で選ぶなら04新品」。これが工房での定番回答だ。
③ 形状の好みを先に決める
飛び系(03・04・egg IRON)は00・01と比べてヘッドが厚い。試打前にアドレスで構えた瞬間の印象を確認すること。違和感のあるフォルムを使い続けると、インパクトへの集中が長期的に下がる。スイングは反射行動に近い。形状への妥協は意外と後を引く。
05×HS38以上と00×スコア90台 工房で繰り返す後悔パターン
工房で繰り返される後悔パターンを整理する。
- 05アイアン × HS38以上 → 3レングス設計は易しさの追加ではなく距離均等化のための仕組み。弾道が低くなりやすい
- 00アイアン × スコア90以上 → 軟鉄鍛造はミスへの罰則が大きい。薄めのインパクトで右への散らばりが出やすい
- egg IRON × グリーン精度重視 → スピン量が少なく、ピン横2メートルへの距離感調整は他モデルより難しい
- 02(2020)中古 × 試打なし → 年式の違いを確認しないまま買うと、想定キャリーと実測が大きくズレる
どのパターンも「試打しなかったこと」が起点にある。試打では3球ではなく最低10球打つこと。スイートスポットを外したときの左右の散らばり幅がモデルごとに違う。最初の3球はスイング慣れの過程で外れることが多く、ミスの傾向は7球目以降に見えてくる。
シニア層や女性ゴルファーが他ブランドと横断して比較したい場合は、2026年シニア向けアイアン5選の試打レビューと照合すると、PRGR 05・SUPER eggが他ブランドのどのモデルと競合するかを確認できる。判断基準が広がる。
試打当日に弾道の高さだけ見て決める
「どれにすべきか2週間迷っている」というゴルファーに工房で必ず言うことがある。
「候補は2本だけにして、次の週末に10球打て。」
選択肢が多いほど判断の精度は下がる。HSで絞った2本を試打し、弾道の高さだけを見る。グリーンに止まる球が出るほうを選ぶ。飛距離は二の次だ。
PRGRは1983年からヘッドスピード別設計にこだわってきたブランドである。そのコンセプトは今も変わっていない。番号ではなく、自分のHSと弾道高さで選ぶ。 これだけで後悔は8割減る。迷いはなくなる。
参照元
- PRGR IRON History | プロギア(PRGR)オフィシャルサイト




