ゴルフグリップ太さ選び方 M58・M60・M62と手の大きさ

ゴルフグリップの太さM58・M60・M62の規格と手の大きさ別選び方を解説します。手首から中指先端の長さで規格を絞り、スライス傾向なら1段階太め・フック傾向なら1段階細めに調整するのが基本。グリップ交換を検討する中級ゴルファー向けに、工房経験をもとにサイズ比較表・確認手順・よくある失敗パターンをまとめました。

ゴルフグリップ太さ選び方 M58・M60・M62と手の大きさ

工房でグリップ交換を受け付けていると、同じパターンを繰り返し見る。「フックが止まらない」と相談に来た40代のゴルファーが、手の測定もしないまま「なんとなく太いほうが良さそう」とM58を指名してくる。手首から中指先端まで測ると16.8cm。M60が基準になる範囲だ。太さの判断を感覚で済ませると、交換後も同じ悩みが続く。

グリップの太さはM58(太め)・M60(標準)・M62(細め)の3規格が基本で、1〜2mmの差がスイング中の手首の動き幅を左右する。 スコア90〜110帯でグリップ交換を考えているなら、クラブ本体を替える前にこの3規格の関係を正確に理解しておきたい。測定から選択まで5分で終わる作業だ。


M58・M60・M62の規格と手の大きさの基本的な関係

M58・M60・M62はグリップのコア内径を表す規格で、数値が小さいほど内径が小さく外径が太くなる。 単位は1/64インチ。M58が太め、M60が標準、M62が細め、という対応関係だ。

混乱しやすいのは、数値が大きいほど「太い」という直感と逆になっている点だ。コアの内径が大きいほど外側のゴム層が少なくなり、外径が細く仕上がる。この関係を頭に入れておけば迷わない。

グリップはスイング中、体とクラブをつなぐ唯一の接点だ。ここの太さが合っていなければ、どれだけ握り方を工夫しても余分な力みは消えない。M58・M60・M62の選択は、シャフト交換より先に確認する基本設定である。


グリップ太さをめぐる工房でよく聞く3つの誤解

「グリップの形(オーバーラッピング・インターロッキング等)を変えれば済む」という認識は間違いだ。

握り方の種類とグリップ自体の太さは別の問題だ。形だけ調整してもゴムグリップの太さが手に合っていなければ、スイング中の力みは取れない。これが工房で最も多く聞くパターンである。

2つ目の誤解。「M58・M60・M62の選択はプロ向けのカスタム」という思い込みだ。これは手の大きさという体格差に対応するための基本設定であり、ハンデ15〜25のアマチュアゴルファーに直接関係する話だ。

3つ目。「フックが出るから太めにすれば解決する」という短絡的な判断だ。太いグリップが手首の動きを抑える効果はあるが、それは手の大きさに対して適正な太さを選んだ結果として手首が安定するのであって、手が小さいのにM58を選んでも逆効果になることが多い。測定が先。判断はその後だ。


M58・M60・M62の選び方とグリップ太さのQ&A

Q: 自分に合う規格をどう判断するか?

A: リード側の手(右打ちなら左手)の手首付け根から中指先端までの長さを測定する。MyGolfSpy「Golf Grip Size Chart」(2025年8月公開)の基準を、日本人男性ゴルファーのHS38〜45m/s帯に当てはめると以下になる。

手の長さ(手首〜中指先端) 推奨グリップ規格 球筋の傾向
15cm未満 アンダーサイズ(M62以下) ヘッドが返りやすい
15〜16.5cm M62(細め) やや返りやすい
16.5〜19cm M60(標準) バランス型
19〜23cm M58(太め)〜ミッドサイズ 手首の動きを抑えやすい
23cm超 ジャンボサイズ 方向性安定重視

(出典:MyGolfSpy「Golf Grip Size Chart」2025年8月)

日本人男性の大多数は16.5〜19cmに収まるため、M60が出発点になるケースが多い。M58への移行は手が大きめかつフック傾向がある場合、M62への移行は手が小さめでつかまりを強化したい場合に限る。どちらも測定なしに選ぶと別の問題を生む。

もう一つの確認ポイント。グリップを握ったとき、中指と薬指の先端が親指の付け根に軽く触れる程度が合格ラインだ。深く食い込むなら太すぎ、浮いているなら細すぎと判断できる。

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Q: M58(太め)とM62(細め)は球筋にどう影響するか?

A: グリップとスイングの関係は「握手の固さ」に似ている。力みすぎると微調整が利かなくなり、緩すぎると制御を失う。

太いグリップ(M58方向)は手首の余計な動きを抑えやすく、インパクト前後でフェース面が暴れにくい。スライスが頻繁に出る、方向がバラつくゴルファーにはM58寄りが有効だ。ただしヘッドをタイミングよく走らせる動きが出しにくくなる面もある。ドローを意図しているのに太すぎるグリップを使うと、右へのプッシュが増えることもある。

細いグリップ(M62方向)はヘッドが返りやすく、ボールのつかまりが改善しやすい。飛距離を積極的に出したいゴルファーやドロー系を打ちたいゴルファーには合う。ただし手首の動きがもともと大きい人には向かない。フック頻度が上がるリスクがある。

正しいグリップでスライスとフックを直すでも解説しているとおり、グリップの太さと握り方は連動して調整することで効果が出る。太さだけ変えて握り方を変えないのでは、改善は半分だ。

向かない条件を明記する。

  • M58を選ぶべきでない人: 手の長さが16.5cm未満でフックに悩む場合。太さで手首を制限しても、手の大きさとのミスマッチが根本原因なら解決しない。
  • M62を選ぶべきでない人: 手首の動きが過剰でスライスとフックを繰り返す場合。まずM60で安定させてから細さを検討する。

ゴルフグリップ M58 M62 サイズ 比較


Q: グリップ太さ以外に確認すべき要素は?

A: バックラインの有無と素材の2点が残る確認軸だ。

バックライン(グリップ背面の縦の突起)があるタイプは、毎回同じフェース向きで握りやすくなる。方向性を安定させたいなら試す価値がある。ただし感覚的な違和感が出やすい人もいるため、実際に握って確認してから判断することが重要だ。

素材はゴム系とコード系が主流だ。雨天・夏場のラウンドが多い場合はコード系のほうがグリップ力が落ちにくい。HS42m/s以上で強く握る傾向があるなら、コード系を先に検討する。太さ・バックライン・素材の3軸を揃えて選ぶのが、グリップ交換で失敗しないコツだ。 M60を選んでも素材が合わなければ、次のラウンドで握り直しが増える。3軸をセットで確認することが肝心だ。

Prosendr Widenerがツアーで急増中の理由でも示されているとおり、手とクラブの接点の最適化はプロツアーでも重視されている。アマチュアゴルファーも同じ基準で見直す価値がある。


グリップ太さを決める5つの確認手順

Q&Aで判断軸が揃ったら、この順で進める。

  1. 手の長さを測る: 手首の付け根から中指先端まで定規で計測。10秒の作業だ。
  2. 規格を絞る: 16.5〜19cmならM60、19cm超ならM58方向、16.5cm未満ならM62方向が出発点。
  3. 球筋で微調整する: スライス傾向なら1段階太め、フック傾向なら1段階細め。
  4. 握って指先の位置を確認する: 中指と薬指の先端が親指の付け根に軽く触れる状態が目安。
  5. 工房かショップで素材も確認する: 同じM60でも素材・重量でフィーリングが変わる。購入前に必ず握ること。

グリップ交換1本の工賃込みコストは1,500〜2,500円前後。クラブ本体の交換より先に試す価値のある改善だ。


太さを変えても解決しないケースを正直に書く

太さを変えても球筋が改善しないケースが3つある。

グリップ自体の劣化が原因の場合、太さの選択より先にリフレッシュが必要だ。2年以上同じグリップを使い続けているなら、ゴムは硬化・変形して本来の特性を失っている。まず新品のM60に交換して1カ月使い、そこで感覚を判断する。太さの細かい選択はそれからでいい。

シャフト特性が根本にある場合も、グリップの太さでは解決しない。M58・M60・M62を変えても方向性が改善しないなら、シャフトのトルクや重量バランスを疑う。グリップはシャフトのミスマッチを上書きする機能を持たない。工房でのシャフト相談が先になることもある。

フォームに根本的な問題があるケースでは、グリップは補助にすぎない。パターで右に押し出すミスを消す引っ張り続ける打ち方でも触れているように、手とクラブの関係を正確に理解してから器具を調整する順序が大切だ。万能解として期待するのは禁物だ。


2026年5月の選択 M60から始めてM58・M62で微調整する

迷ったらM60。これが編集部の立場だ。

2026年5月時点、国内のゴルフショップとオンライン通販でのM60対応品の品揃えは、M58・M62に比べて圧倒的に多い。主要ブランドの現行グリップはM60基準で設計されており、素材・重量・バックラインの選択肢が最も豊富だ。M58・M62は手の測定で必要と判断してから選べばいい。

グリップ交換を実施するなら、まず標準サイズM60の現行ラインナップを確認するのが現実的な一歩だ。価格帯は1本800〜2,500円が主流で、同一モデルでも素材違いが複数展開されている。

ゴルフグリップ 太め 細め 選び方 診断

グリップの太さが合うと、余分な力みが抜けてスイングに集中しやすくなる。 体とクラブをつなぐ接点が「ちょうどよい握手」の状態になれば、スコアの安定感は変わる。次に確認するのは素材と重量のバランスだ。試握で体感を積む番だ。


参照元

グリップ太さ選びをさらに深める

M58やM60といった規格で太さの基準を掴んだら、スコアへの活かし方や長く使うための知識も合わせて押さえておくと実践で役立ちます。

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